メダカが痩せて死ぬ痩せ細り病の原因と治療について紹介します。単なる痩せとの違いやメダカを太らせる方法についても紹介します。
メダカの痩せ細り病について
メダカの痩せ細り病について解説します。メダカの痩せ細り病とは、メダカがガリガリに痩せて元気がなくなり、最終的に死んでしまう状態のことを言います。
紙のようにペラペラになってしまうため、普通の痩せているメダカとは全く違う状態になります。
原因はよくわかっていないのですが、水槽でメダカを飼育していると多発するため室内飼育と関係しているのでないかと言われています。
メダカの痩せ細り病の症状
メダカの痩せ細り病の詳しい症状について説明します。
痩せる
まず、メダカの痩せ細り病の一番目立つ症状は痩せることです。メダカは痩せ細り病になるとガリガリに痩せ細ります。
餌を与えないとメダカは痩せますが、痩せ細り病になるとまるで病人のようにやせ細ってしまい、骨と皮だけのペラペラ状態になります。病的な痩せ方なので慣れてくると見分けがつくようになります。
体色が薄くなる
痩せ細り病は単に痩せるだけでなく体色が薄くなります。赤系のメダカは特にわかりやすく色が抜けたようになるため簡単に判別できます。白っぽくなってきて痩せ細り始めたら注意が必要です。
群れからはぐれる
痩せ細り病になったメダカは群れからはぐれるようになります。他のメダカと単独行動をとりがちになります。また、痩せ細り病のメダカは他のメダカからいじめられたり追い回されやすくなります。
動きが鈍くなる
さらに病気が進行すると痩せ細り病のメダカは動きが鈍くなります。次第に水面に浮いてくるようになり、末期まで進行すると手で触れるようになります。このレベルまで病気が進行すると治療しても意味がないことが多いです。
メダカの痩せ細り病の原因
メダカの痩せ細り病は原因がよくわかっていませんが、諸説あります。痩せ細り病についての原因を紹介します。
ストレスによる拒食
痩せ細り病のメダカをよく観察してみると、いじめられたり1匹で泳いでいるメダカがほとんどです。痩せているからいじめられているのではなく、どうもいじめられているメダカが痩せていき、最後は弱って死ぬパターンが多いような気がします。
さらに、後述しますが痩せ細り病のメダカを隔離して生き餌を与えたり、グリーンウォーターに入れるだけで回復してしまったという事例もあります。
つまり、メダカの痩せ細り病は栄養失調や細菌感染ではなく、単なるストレスによる拒食症であるとの説も有力だと言えるのです。
細菌
メダカの痩せ細り病の原因で、個人的に最も怪しいと感じているのが細菌です。メダカがカラムナリスやエロモナスなどの細菌に感染して食欲がなくなり、腸から栄養を吸収できずに弱って死んでしまうという説です。
実際、私もやせ細って食欲がなく、水面を漂っているメダカを塩水浴させたら完治した例が何個もありました。そして、痩せ細り病のメダカを放置しておくと確実に死んでしまいます。
つまり、メダカの痩せ細り病は水質悪化や消化不良ではなくれっきとした病気である疑いが極めて強いです。
寄生虫
メダカの痩せ細り病の原因はトリコジナ、コスティアなどの寄生虫が原因であるとの説もあります。寄生虫がメダカの内蔵に入り込み、栄養を吸い取ってしまうため餌を食べてもガリガリに痩せ細ってしまうのです。さらに厄介なのが内蔵に寄生虫が入り込むとリフィッシュなどの薬が効果がなくなってしまうため治療法が存在しないことです。
水質悪化・栄養不足
メダカの痩せ細り病は水質悪化や栄養不足ではないかとも言われています。実際、イトミミズなどの生き餌やグリーンウォーター、PSBなどは痩せ細り病を予防すると言われています。
メダカは水中の微生物やコケなど、常に何かを食べている習性があるため、グリーンウォーターや生き餌を容器内に入れて常に栄養を摂取させるのです。
また、普通の餌ではなく、「ハイグロウ」「金パケ」など栄養価の高いエサを与えたり、ビタミン剤などを添加するとやせ細り病になるメダカが少なくなったという声もあります。
メダカの痩せ細り病の治療
メダカの痩せ細り病の治療の治療について説明します。痩せ細り病は原因がはっきりしておらず、様々な治療法があります。また、再現性も乏しく、ある環境では効果があったやり方を自分で試しても効果がないこともあります。痩せ細り病になったらいろいろな治療法を試してみるしかないでしょう。
塩水浴
痩せ細り病になったメダカを塩水浴で治療するのが最もポピュラーです。
個人的にも、0.6%以上の塩水につけておくと復活するメダカが多かったです。
ここで重要なのは塩水を濃い目に入れることです。0.3%の塩水では効果がありませんでした。ただ、いきなり塩分を強くすると死んでしまう可能性があるので、最初は0.3%の塩水を作り、その後塩を足していきます。塩水に1日~2日つけておくと元気を取り戻すメダカがいました。
薬浴(グリーンFゴールドリキッド・観パラD・エルバージュ)
痩せ細り病には、グリーンFゴールドリキッド・観パラD・エルバージュなどの薬を使う治療法もあります。痩せ細り病の原因は細菌が原因であるものもあるため、塩水浴が効果がなければ薬浴させれば効果がある可能性が高いです。
ただ、薬や塩浴が全く効果がない痩せ細り病のメダカもいるので確実な治療法ではありません。
隔離飼育
ネット上で意外と多かったのが痩せ細り病のメダカを別の容器に隔離して餌を与え続けたら治ってしまったという事例でした。
痩せ細り病は病気ではなくストレスなどが原因であることも多いようです。もし薬や塩で治らなければ別の容器に移して栄養価が高い餌を与えると良くなることがあるようです。
隔離したメダカは光を当てながら、ブラインシュリンプやミジンコなどをたっぷり与え、毎日水換えをします。
さらにグリーンウォーターを入れて太陽光に晒すと改善したという声もありました。
正露丸(検証中)
さらに、私が個人的に驚いたのが痩せ細り病のメダカの水槽に正露丸を入れたら治ってしまったという口コミでした。
確かに正露丸はアニサキスを駆除するなど内蔵の寄生虫を退治する効果や殺菌効果があります。このため、もし痩せ細り病が内蔵の寄生虫や病原菌が原因であれば正露丸を入れれば効果がある可能性があります。
具体的なやり方は、6リットルに正露丸(糖衣錠ではなく黒い丸薬)を1錠入れた容器にメダカを入れるだけだそうです。
私も今、3リットルの容器に正露丸を半分入れ、毎日全部換水して試していますがどうなるかはわかりません。少なくともメダカが死んではいないので安全性はあるようです。
すごいぞ正露丸!
続報ですが、正露丸を入れた容器のメダカがどんどん回復しています。まず、白くて透明な糞をしていたメダカが黒い糞をするようになりました。
4匹いたうちの1匹は死んでしまいましたが、2日目からガリガリに痩せてしまって食欲がなくなったメダカも現在は元気に粉エサを食べて体型も少し改善しています。
ただ、隔離飼育してゾウリムシやPSBなどをたっぷり与えていたため、そちらが原因である可能性があります。ですが、塩浴や薬浴では治せなかったやせ細り病が正露丸で治療できる可能性があることは驚きです。
もし薬浴や塩浴、隔離飼育で治せなかった場合は自己責任でお試し下さい。
痩せ細り病の予防
痩せ細り病の予防について説明します。
栄養補給
まず、メダカの痩せ細り病の予防について最もポピュラーなのが栄養補給です。痩せ細り病対策として、各社で販売されているメダカ用の栄養添加剤やメダカ用の餌などを使用している方は多いです。
また、こういった栄養剤や餌、バクテリア剤には納豆菌や乳酸菌などの善玉菌が含まれています。善玉菌はエロモナスなどの細菌増殖を抑える効果があると言われているため、こういった栄養剤やバクテリア剤を与えることは意味があることではないかと思います。
また、栄養剤やバクテリア剤を使うようになってから痩せて死ぬメダカが少なくなったなどの声をよく耳にするため、効果がある可能性は高いでしょう。
痩せ細り病は末期だと手の打ちようがない
痩せ細り病は末期だと手の打ちようがありません。痩せ細り病が進行して平衡感覚がなくなって泳げなくなったり、手でつかめるほど弱ってくるようであれば治療してもムダであることが多いです。このため、日々メダカを観察して異常がみられたらすぐに治療するようにしましょう。
痩せ細り病は細菌や寄生虫による病気が原因だと言われていますが、隔離して餌を与え続けただけで治ったという例もあるので、ストレスが原因の痩せ細り病もあると思います。原因がはっきりとしていませんし、おそらく原因は複数あるのだと思います。いろいろなやり方を試してみるしか現在は手の打ちようがないのが現状です。
コメント